こんにちは! 管理人のリバトラです。
今回は、絵画鑑賞 フェルメール編です。
「フェルメールっていったい誰?」
「絵画鑑賞は興味ないけど...」
と思っている方にとっても楽しめる内容となっています。
ぜひ、ご覧ください!
フェルメールって誰?
皆さんは、この絵を見たことはありますか?
絵画に興味のない方でも一度は、見たことがあるんじゃないでしょうか?
様々な場所でよく使用されているこの作品。
こちらの作品は「真珠の耳飾りの少女」という題名で、今回のテーマであるフェルメールの有名な作品の1つです。
日本でもとても人気のあるフェルメール。
いったいどのような人物なんでしょうか。
フェルメールの生涯
ヨハネス・フェルメールは17世紀のネーデルランド(現在のオランダあたりの国)を代表する画家です。
本名はヤン・ファン・デル・メール・ファン・デルフト (Jan van der Meer van Delft)といいます。
実家が酒場を兼ねた宿屋であり、20歳の時に父が亡くなったため、画家である一方で宿屋の経営も行っていました。
1653年に結婚した後、14人の子供が生まれています。
芸術家が集まった組合である聖ルカ組合の理事を2回務めるなど、画家として高く評価されていました。
余談...
フェルメールの本名はヤン・ファン・デル・メール・ファン・デルフトというとても長い名前です。
オランダ人の名前によく使われるファン(van)には「~の、~出身の」という意味があります。
後半の「ファン・デルフト」は「デルフト出身の」という意味になり、実際にデルフトという町の出身です。
名前に出身地が入るというのは面白いですね。
作品の特徴
フェルメールは美術史上、バロック期という時代の画家に分類されます。
バロック期は深い色彩と強い明暗が特徴的な時代となります。
フェルメールの初期の作品こそ強い明暗がありますが、比較的同じ時期の画家に比べ、明るく、柔らかな作品が多いです。
使用する色彩数も少なく、その中でも青と黄色が目を引きます。
特に青にはこだわっており、ラピスラズリという宝石を粉末にした非常に高価な絵の具を使用しています。
そのため、この鮮やかな青色は「フェルメール・ブルー」と呼ばれています。
全作品数は約37作品と非常に少ないです。
(作品数に「約」がついている理由については後程説明します。)
ちなみに、かの有名なピカソは生涯で約1万3500点の絵画作品を作ったといわれています。
作品の大きさは全体的に小さく、37作品中9作品が高さ50cm程度。
最大の作品でも高さ158.5cm、幅141.5cmと他の画家と比較しても小ぶりです。
フェルメールの作品を見てみよう
ここではフェルメールの代表作について数点ご紹介します。
牛乳を注ぐ女
オランダのアムステルダム国立美術館が保有しているこの作品。
青と黄色の対比が分かりやすい作品になっています。
当時、液体の流れを直線的に表現することが多かった中、この作品では牛乳の流れがねじれたように描かれており見事に表現されています。
メイドである女性が、固くなったパンを牛乳に浸そうとしている場面です。
当時のオランダでは固くなったパンを牛乳で浸し、パンプディングなどにして食べていたようです。
天文学者
女性をモデルとした作品が多い中、単身の男性を描いた作品はこの作品と「地理学者」という作品の2作品のみです。
この2作品は同じ男性をモデルとしていると考えられています。
モデルは初めて顕微鏡で微生物を観察した「微生物学の父」アントニ・ファン・レーウェンフックであるという説があります。
レーウェンフックとフェルメールは同い年でどちらもデルフト出身という共通点があり、有力な説となっています。
男性が羽織っているガウンは「ヤポンス・ロック」という日本の着物をガウン風に仕立てたものです。
当時、南蛮貿易で日本と交易のあったオランダへと着物が渡っていることがここから分かります。
デルフトの眺望
室内画が多い中で、風景画はこの作品と「小路」の2作品のみです。
フェルメールの故郷であるデルフトを描いたこの作品。
常に評価の高い作品であり、競売により2つの美術館が競り合いましたが、なかなか決まらず、国王が仲裁に入り所蔵先を決めたという逸話も残っています。
実際の風景をそのまま描いたわけではなく、理想的に変化をつけて表現しています。
門の高さや配置、水面への反射の仕方などが異なります。
絵の7割ほどを空に費やしており、惜しげなくフェルメールブルーを使用しています。
オランダは年間を通じて、雨の日が多く、実際に黒い雨雲も描かれています。
偽物が多かった!?
先程、全作品数が「約」37作品とお伝えしました。
約となっている理由としては、フェルメール作と言われている数作品が、偽物であると専門家の中で意見が分かれているからです。
20世紀になると、フェルメールの偽物(贋作)が横行しました。
有名なものとしてハン・ファン・メーヘレンという人物による贋作事件があります。
この人物は11作品もの偽物を作成しています。
中でも「エマオの食事」という作品は、当時、専門家たちから本物と認定されてしまいます。
この作品は、オランダのボイマンス美術館が54万ギルダー(約3800万円:記事記載時点)で購入してしまいました。
偽物と分かった現在でも同美術館に常設展として展示されています。
当時、専門家たちが本物と認定してしまった最大の失敗を忘れないように展示されている、といわれています。
フェルメールの絵を楽しむ
ここまでフェルメールに関して簡単にご紹介してきました。
日本でもとても人気のある画家のため、作品が来日し様々な展示会で見ることが出来ます。
私も何作品か実際に見たことがありますが、その美しさに驚き、絵の中に引き込まれるような感覚がありました。
初めて見た作品である「天文学者」は今でもスマホの待ち受け画面になっています。
今後も来日する作品が何回もあると思われるので、機会があればまた記事にしたいと思います。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
また次回の記事まで楽しみにお待ちください。